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森 好治郎

アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。

10月03日 12:32 グローバル・リセッションのリスクを織り込む展開!?

「理事会では2つの選択肢を検討した。金利据え置きと利下げだ」―――トリシェECB総裁は、3ヶ月連続で金利据え置きに至った経緯を説明し、今後の利下げの可能性を初めて示唆した。

インフレ・ファイターとしてのECBの頑強なスタンスが崩れた瞬間であり、米国発の金融恐慌が欧州にも飛び火するなか、市場は金融環境のタイト化と実体経済の悪化という金融と経済の「負のフィードバック・ループ」が一段と進むとの懸念から一斉にリスク回避姿勢を強める格好となった。

「恐怖指数」として知られるVIX指数(シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数)は、総悲観とされる30超を大きく上回る45.26へ跳ね上がっている。(14営業日連続で30超に位置する)

市場では、“悲観シナリオ”に基づくポジションを「アルマゲドン取引(Armageddon Trade)」と呼ばれているが、昨日の金融資本市場は世界的な株安・債券高(金利は低下)が一段と加速し、為替マーケットでは米ドルが日本円を除く主要通貨に対して全面高に拍車が掛かっている。 米ドルの総合的な実力を示すFRB算出の実効為替相場は、9月24日から7営業日連続で上昇している。

「米景気循環とドル相場の関係」を表したフローチャートが示すように、米景気後退局面ではリスクマネーの収縮や米個人消費の縮小、さらにリスク回避姿勢が強まることによって、米ドルが相対的に上昇する傾向にある。 (⇒米国および世界経済が好調な状況下では、リスクマネーの活性化により米ドルが下落する傾向にある)

昨年4月のワシントンG7会合では、「世界経済は過去30年間で最も力強い成長を続けている」と楽観的な景気認識を声明に盛り込んでいたが、現状では未曾有の金融恐慌がグローバル・リセッションのリスクを高めるなど市場環境は激変しており、来週10日に開催されるワシントンG7では、危機回避に向けた政策協調が取り沙汰される状況となっている。

こうした状況下、本日の米下院本会議での金融安定化修正法案の採択は世界経済に対する責任という観点からも不可避とみられているが、昨日の米主要3株価指数が全面安に見舞われているように、法案通過の是非に関わらず市場の懸念が景気後退のリスクに移っていることを示唆している。

この日発表された米経済指標では、8月の製造業新規受注が前月比▲4.0%と、2006年10月以来最大の減少率となったほか、米新規失業保険週間申請件数も49.7万人と前週から増加し、2001年9月以来7年ぶりの高水準となっている。
 
市場の米金融政策見通しを反映するFFレート先物市場では、早期利下げ観測が一段と強まっており、今月末のFOMCでの50bpの大幅利下げの確率が94%まで上昇している。 (⇒年内に50bpの利下げが実施される確率は110%に達している)

来週にはRBA(豪連邦準備銀行)が50bpの大幅追加利下げを実施するとの観測や、ECBが11月の理事会で利下げに踏み切るとの観測が急浮上しており、一部で指摘されていた協調利下げの可能性が現実味を帯びてきている。

IMF(国際通貨基金)が2日に公表した過去30年間の金融危機と経済活動への影響をまとめた報告によれば、現在の米金融危機は米景気が後退局面入りする可能性が高いとし、混乱が銀行部門に集中した場合は深刻化すると指摘している。

不良資産の買い取りを柱とする金融安定化法案が可決された場合でも、信用創造の仲介を担う金融セクターの機能回復こそが重要であり、再び催促相場の様相が強まる可能性は念頭に置いておきたい。

さて、昨日のユーロ/ドルは、重要な日柄で示現した安値1.3882j(09/11)をブレイクしたことにより、1.6040j(07/15)を起点とする<C波>の下落波動が継続していることが明確になった。

日足チャート上に記したように現状はC波(五波構成)の3番目の下落波動に位置するものとみられ、目先的には突っ込み警戒感から自律反発が想定されるものの、一巡後の下落波動再開のリスクには留意したい。

(10月3日 11:20記)

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