
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
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週明けのドルの対主要通貨相場は、バンカメの事前予想を上回る決算を好感して全面高となる場面もみられたが、上値追いの動きはみられず、熱帯性暴風雨・ドリーの影響を懸念した原油反発や消費者の債務不履行の拡大で大幅減益となったアメックスの決算などで反落している。
もっとも、先週半ばから始まった米主要金融機関の4−6月期決算は昨日のバンカメで一巡し、米三大銀行(JPモルガン、シティグループ、バンカメ)の1株損益はいずれも事前予想を上回っており、足元では金融不安をテーマとする米ドルのショート戦略の巻き戻しが促されている。
インターバンク市場の縮図でもあるIMM通貨先物市場では、ファンド筋の主要6通貨に対する米ドルのネット総合ポジションは、07/15時点で199.19億jの売り越しと、わずか1週間でドルショートが倍増していたことが明らかになっている。
(詳細は今週の『森レポート』P.5−6をご参照)
なかでも、IMMファンド筋の日本円の買い越しポジションは、07/08時点の5,325枚から07/15には50,105枚と10倍弱に急拡大しており、積極的な円ロングの構築と円ショート・カバーというダブルの円買い・ドル売り圧力が発生していたことを示している。 07/17付けの当レポートでは、IMM日本円市場の出来高や取組高が円高進展と同時に急増している状況から判断して、積極的に円ロングが構築されている可能性を指摘した。
先週末に発表されたCFTC(米先物取引委員会)の建玉報告は、こうした見方を裏付けたわけだが、筆者が注目する取組高は07/15がピークとなって減少に転じており、インターバンク市場ではドル/円が07/16の103.77円をボトムにしてドル高・円安方向へ引き戻されている。
「相場動向と取組高の関係」では、次頁の表に示したように(pdfご参照)、円安進行と同時に取組高が減少する場合は、円ロングのアンワインド(持ち高解消⇒ドル買い戻し)を主体とする相場動向であると解釈することができる。
ここで重要となるのは、ドル買い戻し一巡後のポジション動向であり、市場エネルギーのバロメータである取組高が増大しない限り、トレンド形成は期待できない。
以下は今週の『森レポート(全12頁)』P.5からの抜粋。
「―――今後の焦点はドル買い戻し一巡後のポジション動向となり、取組高が減少から増加に転じる局面でのドル相場の方向性が重要となってくる。 つまり、ドルが取組高の増大を伴って上昇する場合は、ドルロング構築の動きが継続している証左となり、一段高(上昇トレンド形成)が想定されるが、逆にドルが反落する場合は戻り売り再開のシグナルとなるため、下落リスクに備えることとしたい。―――」
こうした観点からは、IMM通貨先物市場が毎日公表する出来高・取組高のデータを有効活用し、分析精度を高める努力をしていきたい。
(ご参考:データ入手先のアドレス http://www.cme.com/trading/dta/hist/daily_settle_prices.html )
ところで、昨日のドル/円は、107.16円まで戻り上値を伸ばしたが、レジスタンスとして意識されている200日平均線(=107.15円処)をワンタッチしたあと上値追いの動きは止まり、106.37円へ反落している。
しかし、昨日の安値106.37円は、Minor Fibonacci pointの106.36円処(=23.6% of 103.77⇒107.16)で下げ渋っている。 押し目としては浅すぎるため、38.2% retraceの105.87円処に向けた一段の下値を想定しておく必要があるものの、今週半ばには米下院でGSE(政府系住宅金融機関)改革を含めた「包括的住宅金融対策」の採決を控えており、積極的にドルを売り込む状況にもないようだ。
つまり、GSE経営不安という危機がバネとなって4月以降議論されてきた包括的住宅金融対策の法案化が現実味を帯びてきているわけであり、米議会に投げられたボールがどう打ち返されるかが今週最大の焦点となってくる。
16日付の当レポートでは、国際金融アナリストの情報をもとにこの点を取り上げたが、最大の難関は共和党議員の説得であり、右表に示した中身が実現する場合はポジティブ・サプライズとなり、住宅市場が長期低迷から脱却するきっかけになると期待されている。
サブプライムローン問題が拡大してから来月で1年を迎えるが、金融不安を抱えるマーケットにとっても大統領選を控えた議員にとっても一つの大きな節目を迎えているといえよう。
(7月22日 11:15記)
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