森 好治郎

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05月21日 12:06 米景気と金利見通しを巡る不透明感からドル反落!?

今週の米ドルの対主要通貨相場は、“ミシガン・ショック”で売られた前週末の安値から軒並み買い戻されて始まったが、昨日はコアPPIの上振れと原油高騰の組合せで米景気と金利見通しを巡る不透明感が増幅され、全面的に売り戻される展開となった。

 米労働省が発表した4月のPPI(卸売物価指数)は、総合指数が前月比+0.2%と市場予想を下回ったが、コア指数が前月比+0.4%と予想の2倍の伸びを示し、前年比では+3.0%と1991年12月以降で最大となった。

さらに、原油先物が初めて1バレル=129jを突破したで、スタグフレーション(景気停滞期のインフレ)の懸念を再燃させる格好となり、米金融資本市場は“リスク回避フロー”の典型である「株安・債券高(=金利は軒並み低下)」となっている。

これまで、米国の強弱入り混じる経済指標に一喜一憂しながらも、明るい側面に焦点を当て“リスク許容フロー”の典型である「株高・債券安(=金利は上昇)」が促されてきたが、いよいよスタグフレーションのリスクが無視できなくなってきていることを示唆しているのかもしれない。

先週15日のコメントでは、「気になるウォール街の5月にまつわる相場格言」と題して、“Sell in May, and go away!”(5月に売り抜けろ)を紹介したが、世界の主要株価指数は3月半ばの「ベアー・スターンズ・ショック」を境にして軒並み二桁の上昇率を達成しており、米銀やヘッジファンドなどが6月決算対策の収益刈り取りに着手し始めた可能性には留意したい。

さて、ドル/円は「小勢強気・大勢弱気」の基本シナリオに変わりはないものの、ユーロ/ドルが重要なチャートポイントを上抜けているため、「三角保ち合い」を構成する山と谷の「c」がなお継続しているとの見方に修正する必要が生じている。   
<三角保ち合いを構成する山と谷>
「a」 105.70円(05/02)⇒102.61円(05/12) ▲3.09円 7営業日
「b」 102.61円(05/12)⇒105.45円(05/14) +2.84円 3営業日
「c」 105.45円(05/14)⇒  現在進行中 ?   

但し、現在進行中とみられる「c」の安値が102.61円処を割り込む場合は、リスクシナリオとした「ダブル・トップ」完成に伴う急落の可能性に備えることとしたい。
 筆者が米ドルの小勢強気に拘る背景には、原油相場が1バレル=120jを突破した4月末辺りから米政策当局者のドル・トークアップが目立ち始めており、インフレ抑止としてのドル高の重要性が高まっていることが挙げられる。(⇒裏を返せば、米政策当局はドル安を望んでいないと推測されるためである。)

但し、今週の『森レポート(全12頁)』のP.4で述べたように、ポリシー・ミックスの組合せからはドル高は持続不能であるため、大勢ではドル安を想定している。
そしてもう一つの要因は、米金融機関やファンド勢の5月決算や6月決算に向けた投資マネーの本国回帰によるリパトリ・ドル高が想定されることである。
特に6月は半期決算となるため、米多国籍企業による利益送金が一時的なドル高を促す可能性も否定できない。

足元では、ユーロ/ドルが50% retraceの1.5653j処を達成し、1.56jHighにとどまっているが、エリオット波動分析では<B波>の自律反発局面に位置するものとみられ、61.8% retraceの1.5739j処までの上昇は許容範囲とすることができよう。
尚、本日はECBが企業景況感を見る上で重視する独5月IFO景況感指数が発表されるため、早速、ユーロ高の持続性が試されることになる。

(5月21日 11:35記)

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