
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
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昨日の為替マーケットは、欧州経済指標の悪化を手掛かりとするユーロ売りが断続的に持ち込まれる一方、ドルは米労働生産性の予想を上回る伸びなどで買い戻される展開となった。
ドル/円は、対欧州通貨でのドル高とクロスベースでの円高の綱引き相場となり、3日続けて104円HighでNYクローズを迎えている。
この日発表された英4月消費者信頼感指数は統計開始以来の低水準を記録し、ユーロ圏3月小売売上高は前月比▲0.4%と2ヶ月連続のマイナス、また独3月製造業受注は同▲0.4%と4ヶ月連続のマイナスで、ともにプラス予想を覆すネガティブ・サプライズとなって欧州通貨売りに拍車を掛ける格好となった。
市場では、本日開催のMPC(英中銀金融政策委員会)で2ヶ月連続の利下げ決定の思惑が浮上しているほか、金利据え置きが予想されるECB理事会ではトリシェ総裁の会見が景気減速に軸足を移すハト派寄りの内容に転じる可能性が指摘されている。
こうした思惑先行の扇動相場が「Sell on rumor, Buy on fact」(噂で売って、事実で買い戻す)となるかどうか、今晩の英欧金融政策会合はリスクイベントとすることができよう。
ここでのキーワードは、原油価格高騰に起因する“資源インフレ”であり、英欧ともにCPI(消費者物価指数)が許容上限を上振れている。
(⇒BOEはHICPを中長期的に上限2%内に収めることを政策目標とするインフレターゲットを採用しているが、3月まで2ヶ月連続で前年比+2.5%に高止まりしている。 ECBはEU基準CPIを2%に限りなく近い1%台とすることをインフレ誘導目標としているが、4月は若干低下したものの前年比+3.3%と目標を上回っている)
原油先物が1バレル=123ドル台と連日の最高値を更新する状況下、中期的な物価安定を政策目標に掲げる英欧中銀が足元の景気指標の悪化をどのように捉え表現するのかが焦点となってくる。
さて、ユーロ/ドルについては5月2日の安値1.5360jを早計にも<A波>のボトムとラベリングしてしまったが、戻りの鈍さや時間の兼ね合いからは<A波>がなお継続しているとの認識が必要となっている。
(⇒5月2日の安値が38.2% retraceの1.5367j処を達成したあと反発したため読み違えてしまった)
一般的に<A波>は五波構成の下落波動となり、全上昇幅の0.382〜0.618押し、あるいは第1波動の0.382、0.50、0.618、1倍、第4波動のボトムが目安となってくる。
本日11時現在では一時1.5285jまで急落しており、1.6020j(04/22)からの下落幅は0.0735jに達し、第4波のボトム1.5341jを通過(達成)している。 次なる波動目標としては、全上昇幅0.1710j(=1.6020−1.4310)の50.0% retrace=1.5165j処に向けた続落リスクが警戒されることになるが、早期に1.5341j処を上回る場合には<B波>(三波構成)の自律反発に向かう可能性を想定しておきたい。
ユーロ/ドルが<A波>継続により一段安を目指すのか、<B波>の自律反発に向かうのか、本日のECB理事会後のトリシェ総裁の会見はテクニカル的に重要なタイミングでのイベントと位置付けられよう。
(5月8日 11:15記)