
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
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今週のドルの対主要通貨相場は、米雇用統計発表後の上値を伸ばすことができず、昨日はファニーメイ(連邦住宅抵当公社)の予想を上回る赤字決算で信用収縮問題がなお継続しているとの見方が広がり、全面安となる場面がみられた。
それでも、ファニーメイの幹部が説明会でクレジット市場の混乱は最悪期を脱した可能性があると述べたことや、米政府がファニーメイに義務付けている自己資本の上乗せ比率を引き下げる方針を発表したことが好感され、米金融株全般の反発に連れてドルも急速に買い戻されている。
ここが金融不安に覆われた3月とは異なるところであり、米国株の投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数は5月1日以来4日連続で「安定」を示唆する20以下で推移している。
こうした状況下、外為市場で投機的な売買動向を見る際の指標となるIMM市場(シカゴ国際金融取引所)のヘッジファンドなどの主要6通貨に対するドルのネット総合ポジションは4月29日時点で57.61億jの売り越しと、昨年6月19日以来の水準にドルが買い戻されていたことが明らかになっている。
ドル買い戻しを主導したのが『ユーロ』と『英ポンド』であり、ユーロは2005年12月13日以来の売り越しに転じている。
これに対して『日本円』は、意外にもロングの再構築とショート・カバーにより、買い越し額が3月25日以来の水準に拡大している。
こうした米雇用統計発表前の円ロングの急拡大が、先週末のドル高・円安の原動力(⇒ロングのアンワインド)になったものと推測することができよう。
IMMファンド筋は、引き続き膨大な円ロングを抱えた状態にあり、持ち高解消ニーズに直面している一方、円ショートは十分な拡大余地を有しており、一段のドル高・円安の可能性は否定できない。
特にドル/円は、波動ルールに基づく戻り売りの急所とした104.95円処を明確に上抜いたことにより、95.77円(03/17)を起点とするドル高・円安が修正波(a-b-c)ではなく5波構成となる可能性が高まっている。(⇒筆者のこれまでのラベリングが誤っていたことになる)
昨日の安値104.02円は、95.77円(03/17)と100.03円(04/10)を結ぶ上昇トレンドラインでサポートされており、ここがNYクローズで破られない限り押し目買い基調が続くものと観測される。
仮に上昇トレンドラインが破られたとしても、修正のC波としての位置付けとなるため、@波のトップである102.95円(04/03)には抵触しないとの見方もできる。
ドル/円の動向を見る上で注目したいのが、ユーロ/ドルであり、ユーロ/ドルは先週末の安値1.5360jから上昇に転じている。
エリオット波動分析ではチャート上のラベリングが示すように、1.5360j(05/02)がA波のボトム(1.5360j=38.2% of 1.4310⇒1.6020)とすることができ、足元ではB波の修正高が進行中であると捉えることができよう。
B波はA波動の0.382〜0.618戻しが一般的であり、これを単純に当てはめると38.2%で1.5612j処、61.8%で1.5768j処となってくる。 (昨日のユーロ/ドルの高値は1.5595jであった)
そして、B波の戻り高値を付けたあとにはC波の下落波動が続くことになり、この段階でドル/円はユーロ/ドルでのドル高とユーロ/円での円高の綱引き相場が想定されることになろう。
(5月7日 11:05記)