
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
|
週明けの為替マーケットは、信用収縮問題の早期収束期待の一巡により、米ドルの売り戻しを主体とする持ち高調整が促される展開となった。
この日発表された全米第3位のバンカメの1−3月期決算は、消費関連(個人向けローンなど)の悪化が目立ち、「信用問題は最悪期を脱した」との期待に水を差す格好となった。
また、英中銀が発表した金融支援策は、先週報じられた内容にとどまったため、“Sell on the fact”(結果判明後の売り)の展開で英ポンドが全面安となり、クロス円にも売り圧力が加わった。
米主要金融機関の決算発表は概ね一巡したものの、米大手3行の決算では新たに消費関連の悪化が目立っており、市場の関心は実体経済の健全性を見極めるマクロ指標に向かうことになろう。
全米企業エコノミスト協会が21日に発表した企業アンケート調査では、米経済が今年前半にマイナス成長に陥るとの予想が全体の30%に達し、通年でも70%の企業が前回1月調査に比べ景気見通しを悪化させていたことが明らかになっている。
今週は米国で住宅販売統計や耐久財受注といった重要指標の発表が予定されているおり、来週明けに開催されるFOMCでの利下げ幅が焦点の一つとなってくる。
市場の金利観を反映するFFレート先物市場では、来週30日のFOMCで25bpの利下げが行われる可能性を94%(=金利据え置きが6%、50bpの大幅利下げはゼロ%)の確率で織り込んでいることを示している。 市場の金利観が今月2週までの大幅利下げから早期利下げ打ち止めへと激変している背景には、最高値を更新し続ける原油価格の高騰が挙げられ、米金融当局者からもインフレ懸念が相次いでいる。
FEDがインフレ警戒姿勢から早期の利下げ打ち止め(金利据え置き)に転じれば、金利先安観からくるドル売り圧力は縮小するものの、雇用情勢の悪化などマクロ経済の下振れリスクを抱える状況下では、むしろドル売り要因となってくる。
今週の為替マーケットは、来週のFOMCの利下げ幅を巡る市場の金利観の変化が焦点の一つとなり、米ドルの方向性を決定付けることになろう。
さて、ユーロ/ドルは先週17日に最高値1.5985jを示現したあと、18日には1.5711jまで急落したが、昨日は1.5948jまで急浮上している。
今週の『森レポート(全12頁)』P.9では、「ダイアゴナル・トライアングル(=上昇ウェッジ)」の形成により再び1.6000j台を試すとの見通しを示した。
上昇ウェッジは右チャートに示したように5つの波からなっており、現状を5つ目の「e波」と捉えることができよう。 但し、<4波>のボトム1.3341j(03/24)と1.5711j(04/18)を結ぶサポートラインが破られる場合は、21日平均線や日足-基準線に向けた急落リスクに注意したい。
昨日は、ECB算出の実効為替相場がユーロ/ドルに先行して最高値を更新している。
今年に入ってからのECBインデックスは、ユーロ/ドルに先行して最高値を更新する傾向がみられており、早晩、1.6000jの節目を超え、波動目標として掲げたN-計算値の1.6066j処(=1.5510+【1.5341⇒1.5897】)を目指すものとみておきたい。
(4月22日 11:30記)