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森 好治郎

アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。

04月08日 12:07 ジワリ広がる楽観ムード、持続性が焦点に!?

週明けの為替マーケットは、世界的な株高や国際商品相場の上昇と歩調を合わせ高金利資源国通貨買いが加速し、ファンディング通貨の円やスイスフランが売り戻される展開となった。

リスク志向を示唆する典型パターンとなっており、市場では信用収縮問題が既に最悪期を通過したとの楽観論が聞かれている。

また、米3月雇用統計が予想以上に悪化したにもかかわらずドルが底堅く推移している背景について、今月末のFOMCの利下げを最後に昨年9月からの金融緩和サイクルに終止符が打たれるとの見方が指摘されている。 

たしかに、米政策金利の動向に敏感な2年債利回りは、03/17に1.3445%まで低下した段階で最悪期を織り込む格好となったが、昨日は2月下旬以来となる1.9319%まで上昇している。

米2年債利回りは米金融当局の利下げに先行する形で低下してきただけに、足元の米雇用情勢の悪化や景気後退が現実味を帯びるなかでの金利上昇は“潮目の変化”を示唆する重要シグナルとなる。

こうした兆候は無かったわけではない。

まず、前回03/18開催のFOMC声明は、インフレに関する記述が顕著に増えたうえ、金融政策運営に関する文言には“物価安定”が挿入され「持続可能な経済成長や物価安定を促すため必要に応じて迅速に行動する」と、リスクバランスが修正されていた。(⇒本日、このFOMCの議事録が公表されるため、リスクバランスが修正された背景が明らかになる)

また、先週行われたバーナンキFRB議長の議会証言での発言内容が、添付資料が示すように2月末から大きく変わっていることが、米景気に対する過度の悲観や金利観を修正させるきっかけになったとみることもできよう。

そして、何より金融市場混乱の収拾に向けて新たな流動性供給策が創設されたことや、ベアー・スターンズ救済合併にみられる預金取扱金融機関以外への「Too big to fail」の適用が、信用収縮を巡る悪循環を断ち切る格好となったといえるかもしれない。

事実、米国株の代表的な投資家センチメント・インディケーターであるVIX指数(別名「恐怖指数」)は、03/17に昨年8月以降のサブプライム危機で最悪となる32.24へ跳ね上がったが、足元では22.42まで急速に低下している。

とはいえ、VIX指数は依然として警戒領域とされる20を上回っており、筆者は現状をモラトリアム(猶予期間)相場と位置付け、その持続性に注目している。

今朝公表されたIMM日本円通貨先物市場における04/04の総取組高は177,892枚と、04/01から4営業日連続で減少していることが明らかになっている。

ドル/円は、ちょうどこの04/01に“長大陽線”を出現し、04/03には一時102.95円まで上昇している。
取組高の減少と円安の進行という組合せは、円ロングのアンワインド(持ち高縮小)という解釈になる。

足元では膨大な円ロングのアンワインドがドル/円の下支え要因となっているが、問題は持ち高調整一巡後の展開となってくる。

仮に金融問題が最悪期を脱しつつあるとの見方がコンセンサスとなる過程では、主要通貨の優劣が景況感格差や金利差がより鮮明に反映されることなり、ドルはむしろ売られやすくなる。(⇒超低金利のドルは、米投資家による積極的なキャリー・トレードを促すことになる)

これとは逆に、ワシントンG7に対する期待先行のモラトリアム(猶予期間)相場が失望に変わる局面では、再びリスク回避が促される可能性が高く、楽観シナリオにはなお距離を置いておきたい。

(4月8日 11:40記)

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