
アナリスト森 好治郎 氏のマーケットウォッチをアーカイブしています。
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4月初日のマーケットは、スイス銀行大手UBSによる増資計画を伴う損失処理や米証券大手リーマン・ブラザーズの優先株に対する強い需要が好感され、世界の主要株価指数は全面高、為替市場では米ドルが全面的に買い戻される展開となった。
また、注目の米3月ISM製造業景気指数が48.6と前月の48.3から改善し、市場予想の47.5を上回ったことも安心感を誘ったようだ。
米主要3株価指数は3%超の大幅続伸となり、NYダウとの相関が高いドル/円は一時102.16円まで続伸幅を拡大した。
この日の高値は108.62円(02/14)から95.77円(03/17)の下落幅12.85円に対する50%retraceの102.20円処を実現したに過ぎず、日足チャートに記したMinor下降チャネルラインA’ =102.31円処の手前で跳ね返される格好となっている。
(⇒Major下降チャネルラインは昨年12/27の高値114.66円を基点とする強力なレジスタンスとなる)
また、この日のNYクローズ=101.87円は日足-基準線の101.96円処を上抜くには至っていない。
この基準線は、昨日の101.96円処から本日は101.59円処に、今週末には100.39円処へ急降下する計算(暫定値)となっており、自律反発の持続性が試されることになる。
ところで、昨日のマーケットは欧米金融機関の資本増強策を受けて、金融機関が信用市場での損失拡大を乗り切るとの観測が強まり、金融株主導で全面高となっている。
特にUBSの場合は、@巨額損失の計上、A大幅資本増強策、Bトップの交代、という市場が好感する損失処理の3点セットを備えており、素直に歓迎されている。 しかし、追加損失の内訳は、サブプライムローン関連証券にとどまらず、プライムとサブプライムの中間に位置する「オルトA」関連証券の投資額も含まれている。 このことは、他の金融機関も同様の追加損失処理を迫られるということであり、問題の根源である住宅価格が下げ止まらない限り、悪循環が続くことになる。
米証券オッペンハイマーは、1−3月期の米大手6金融機関の損失計上見通しについて、商業用不動産ローン担保証券や企業向け融資(レバレッジドローン)など住宅ローン関連以外の評価損拡大を指摘するなど、金融不安が長引く可能性は大きいといえよう。 (⇒追加損失処理で金融機関の自己資本が不足すれば、貸し渋りや貸し剥がしにより金融市場全体の流動性が低下するほか、実体経済への影響も生じる)
とりあえず、昨日の株高・ドル高は、原油や金などコモディティー市場の値上がり益を確定し、割安感の強い金融株に乗り換える“セクターローテーション”による一時的な動きとみることもできよう。
また、米3月ISM製造業景気指数についても、主要3項目の「雇用」は49.2、「生産」は48.7、「新規受注」は46.5と、いずれも景気判断の分かれ目となる50を下回っており、ドル安の恩恵を受けた「輸出」が56.5と製造業を下支える構図となっており、景気後退の瀬戸際に立たされているとの認識に変わりはない。
4月初日の株高スタートが“エイプリル・フール”に終わらないよう期待したが、今週は週末にかけて重要イベントおよび主要指標の発表が目白押しとなっているだけに、予断を持たないようにしたい。
追伸
昨日のユーロ/ドルは、03/26の長大陽線の安値1.5583jを下抜けて一時1.5563jまで急落したが、NYクローズでは長大陽線のなかに戻し、続落リスクを回避する格好となっている。
右チャートに記した波動のラベリングが示すように、現在はまだ小勢4波が継続しているとの認識が必要かもしれない。 この4波が日柄調整的な三角保ち合いを形成するのか、それともサポートラインをブレイクして値幅調整となるのか、今週は重要局面に位置しているといえよう。
(4月2日 10:55記)